【土地を売る】境界を見つけられますか?
「きょうかい」「けいかい」「ひっかい」、色々な呼ばれ方をします。
実はこの名称も意味を持ちます。記事内の「境界はひとつではない」をご覧下さい。
さて、不動産の売却をするときに、土地や戸建の場合必ず「境界」の確認が必要になってきます。
しかし、数十年前に購入したものや相続で取得した子供のころから住んでいる土地などは、境界など意識していない場合も多いようです。
私のかつての上司がたまたま山の契約をした際などは、「あのくすの木までがうちの土地だよ」と境界明示を受けていました。
都心部では裁判などで争われるケースもある土地の境界です。今回は売却する際に必要な境界の基礎についてお話致します。
境界杭には、種類がある
隣地との境を境界といい、その終端は境界票や境界杭(以下、総称して境界杭)で示されています。法務局で取得できる「公図」「地積測量図」などでは線が描かれていますが、もちろん土地に線が書いているわけでもありません。
境界杭の示す「境界点」を結び測量をします。
まずは、境界杭の種類と境界点の位置について確認します。
コンクリート杭:一般的に永続性がある杭として広く利用されています。
御影石杭:花崗岩(かこうがん)で出来た石杭です。永続性に優れますが若干高価なものです。
プラスチック杭:加工がしやくさまざまな形のものが市場に多く出回っていますが、安定性に欠けます。
木杭:2~3年で腐食する為、仮の境界杭として利用されます。
境界票:さまざまな形状・材質のものがあります。市街地で多く使用されています。
おそらく、ご所有地と隣地の間にこのような境界杭があるはずです。一見、見当たらなくても、塀の下や中には道路の下に埋まっている場合もあります。
ちなみに、現在は上記のような種類が一般に統一されていますが、古くは色々な形での表示がなされていたようです。
これは私も見たことないです。
境界点の見方
赤点が境界を示す点です。
境界杭を目視する際に、この点が境界線の始点(終点)となります。
通常土地の売買などで行う境界確認は、土地家屋調査士に依頼する為、見間違いはおこりません。塀などを建築する際は、隣地の方とお話合いをし境界の中心に設置するのか内側に設置するのかを予め決定し、可能であれば書面を残しておくと将来的な争いの予防になります。
境界杭は重要?
法務局には地積測量図が登記されており、公図もあります。
登記がなされているなら例え境界杭が無くても大きな問題はないのでは?と思われている方もいるかもしれません。
しかし、少し極論ですが、地積測量図や公図は境界杭を証明するものではなく、境界杭が地積測量図や公図を証明するものです。
土地を売却する際には、売主様に「境界の明示義務」があります。例外はありますが、境界杭を指示し、明示を行います。境界杭がない場合には、境界杭を復元する必要がありますが、法務局は境界杭を復元することはできません。
売主様の責任で境界杭の復元を測量士に依頼することになります。そして、隣地の方と見解が違った場合、例えばどの種類の境界票が入っていたか等でもめるケースは多くあります。
境界杭の管理者は、土地の所有者です。境界杭を撮影し、設置を定期的に(1年に1回位)行うことをお奨めしています。
ちなみに弊社下北沢事務所の境界票は、一度剥がれたことがあります。
境界はひとつではない!
記事の最初に少し触れましたが、「境界」と一言でいっても境界は大きく2つの意味を持ちます。
1.「筆界(ひっかい)」:不動産登記法上の境界
2.「所有権界」:現実の所有権の境
ここからは、法律上の解釈です。(図は引用。)
図の例でご説明します。「筆界」と書いてある赤線が不動産登記法上の境界です。公図や地積測量図に載っているものです。
「所有権界」と書いてある点線が、甲と乙が土地を有効活用する為、話し合って決めた所有権の境です。
では、実際に甲が不動産を売却する場合は、どうすれば良いか。
「筆界」と「所有権界」を一致させる必要があります。
実は境界杭は、「筆界」にも「所有権界」にも使われています。設置時期が古い場合、若しくは相続が発生している場合、当時の甲・乙の話し合いを知る方は誰もいなくなっている可能性もあります。
では、このような場合の判断基準は?
大まかに言うと「状況判断」です。
法律関係の専門書などを読むと詳細な記載が多数あります。ご興味ある方は調べてみて下さい。この記事では文字数の関係から省略致します。
弁護士・土地家屋調査士に依頼し、時間をかけて古い資料を調べ、関係者全てと話し合いや裁判を持ち判断をします。
もし、「筆界」と「所有権界」が一致していない土地を所有されている場合、時間が経過すればその分複雑になる可能性が高くなります。
「筆界」と「所有権界」の一致を確認すること。
いざという時に、問題が生じないように確認をしておいて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか。
土地は高額な資産です。私が取引を都心部で行う場合は、1坪あたり300万円~400万円のものも扱います。1㎡の増減で100万円の違いが生じることになります。
しかしながら、土地の仲介を行っていて裁判に発展するときは、近所関係が悪化してる場合です。
境界の確認も重要ですが、隣地との良好な関係が何より大切かと思います。
挨拶や地域の活動で良好な関係であれば、測量などの立会いを「お互い様だから」と快諾してもらえます。
※今回の記事は、弁護士や土地家屋調査士の先生によって見解が違う場合もあります。ご不安な場合は、直接ご確認下さい。
この記事を書いた人
- 山﨑 紘靖
- 過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。
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