あなたの不動産が売却できないシンプルな理由と改善方法
販売活動を開始してすでに6ヶ月・・・。案内は何回かあったものの、なかなか売買契約まで至らない・・・。
不動産の売却は、人生のうちで一回あるかないかの出来事です。その為、売却についての専門知識が少ないまま、仲介を依頼する不動産会社を選定し、任せっきりにしてしまうことが多くあるのは当然のことと思います。
順調に売却が進めば、全く問題ありません。しかし、もし長い間、売却が出来ない場合はどうでしょうか。もちろん、最初の計画から長期間かけた売却の戦略を練っていた場合は問題ないでしょう。
ただ、無作為に時間だけを要している販売活動には、何かしらの問題点があるはずです。
今回の記事では、販売期間が長期化してしまう理由(原因)と改善点をわかりやすく説明していきます。最後までお読み頂き、少しでも早く売却の悩みが解決しますように願っております。
購入者市場の需要を理解する
不動産会社に販売を依頼すると、新聞折込広告やインターネットへの掲載など、さまざまな販売方法を行ってもらえます。しかし、いくら広告活動を行っても購入者が現れない場合は、再度売却物件について検討してみる必要があります。
まずは、基本的な条件3つの見直しを行います。
『再度、見直す3つのポイント』
・価格について
・需要について
・販売方法について
ひとつひとつ説明しています。
価格について
販売活動開始前に、不動産会社より査定書を受け取っていると思います。(受け取っていない場合は、作製を依頼してください。)
不動産会社の査定書は、実際の周辺成約事例を基に算出しており、大きな市場の変化(リーマンショックなど)がない限りにおいて、おおよそ予想金額での成約は確実のはずです。
もし、成約予想価格との乖離が20%以上の高値で販売活動を続けている場合は、さらに長い期間販売活動を続けても、残念ながら市場からの問い合わせを得る可能性は低いと言えます。
販売する地域(都心部か郊外か)によって、戦略は異なりますが、販売価格と成約予想価格の乖離を10%以内に変更することが望ましいと考えられます。
◎ 変更金額設定のポイント
金額を変更する際は、インターネットの顧客層が変わるように意識して変更をしてください。
不動産情報サイト(スーモやyahoo!不動産など)は、閲覧者の予算設定を、500万円単位で変更できる設定となっています。
例えば、現在5,180万円で掲載している場合、予算が5,000万円の方に情報は届いていません。変更後の金額を4,980万円にすることで、今まで情報を取得していない方々にアプローチすることが可能になります。
◎ 査定書の金額について
もし、あなたが不動産会社の選定を行った際に、一括査定サイトを利用している場合は、査定金額が高めに設定されている可能性があります。
一括査定サイトは、不動産会社の立場から考えると他者競合の状態です。売主と媒介契約を締結するために、少し高めの設定金額を記載することも、しばしばあるようです。
本来あってはならないことですが、もしご不安な場合は、再査定を依頼するか、ご自身で査定を行ってみて下さい。
※参照:市街地にある自宅・実家の売却金額を、自分で査定する方法
需要について
不動産を売却する場合は、購入者の需要欲求(ニーズ)を調査した上で、販売を開始します。
特に、大きな需要があるものを重点的に調査し、購入者のニーズを把握する必要があります。不動産は他の商品とことなり、特殊なものですが、「売る・買うという市場原理」は同じです。
購入者層がほとんどいない地域で、いくら販売活動を行っても、不動産は売却できません。
具体例をご説明します。
たとえば、平均購入者予算が5,000万円で、20坪の分譲住宅が建ち並ぶ住宅街において、60坪の土地を所有していたとします。
この不動産を売却する場合、60坪の宅地として売るのではなく、20坪×3つの土地として売却したほうが購入者のニーズが高いことになります。
ただ、残念ながら、居住している建物があるなどの理由で、方法論だけは理解していても、見送るケースが多いように思います。(実際は居住していても、この方法は利用出来ます。)
現在の販売方法が、売却する地域内の購入者ニーズに応えているかを再検討してみてください。
※複数に土地をわけて(分筆して)売却する場合は、必ず専門家にご相談してください。宅建業法に抵触する恐れがあります。
販売方法について
現在、不動産の販売方法はインターネットが中心となっています。しかし、不動産の情報サイトを全ての人が見ているわけでもなく、頼りすぎている営業方法は危険です。
たとえば、近くに子ども世帯を呼びたい親世代に対しては、折込広告や現地看板のほうがインターネットより効果的です。
効果的な販売活動のためには、購入者の理想像を周辺地域の状況から仮定し、理想像の人物に届く販売方法を考える必要があります。
マーケティング用語では、この理想像のことを「ペルソナ」といいますが、このペルソナを利用した販売方法は現在幅広い商品販売に活用されています。(ペルソナを活用した営業方法は後述します。)
もし、現在の販売方法がインターネットのみに頼る営業方法であれば、「どのような人物に情報が届けば、売却できるか」を意識して、再考してみてください。
購入者の需要から販売活動を組み立てる
不動産自体は、他の商品と違い、権利関係など特殊なことが多いのですが、「ものを購入する」という点はその他の商品と同じです。
ここでは、マーケティングの基本である『ペルソナ』を使った効果的な販売方法をご紹介致します。
※前述の「価格について」で述べた適正な価格設定になっていることを前提に説明を進めます。
ペルソナとは
ペルソナは架空の人物として定義した人物像のことで、製品やサービスの理想の顧客をあらわします。
スープストックや大和ハウスのエディハウスなどは、ペルソナを用いて開発されたと有名です。ペルソナを用いて、理想の人物像を作製し、その人物が徹底的に満足することを前提に製品やサービスをつくります。
ペルソナの作製
あなたが所有の不動産を売却する場合、理想とする人物が満足いく不動産をつくることは不可能なため、売却する不動産を、どのような人物が購入すれば100%満足してくれるかを徹底的に考えます。
例えば、下記条件の不動産を売却するとします。
■売却する不動産の条件
・世田谷区松原
・最寄駅徒歩5分
・築15年の中古戸建
・3LDK+納戸+駐車場
・価格:金5,480万円
まずは、下記のような不動産のメリットを考えます。
・井の頭線で渋谷まで7分
・乗り換えをし新宿まで15分
・大きな公園が徒歩圏内にある
・夫婦だけ若しくは幼い子供がいる夫婦には良い間取り など。
これを基にペルソナを作製します。
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『ペルソナ』
・年 齢:35歳
・性 別:男性
・家族構成:幼い娘がいる3人家族
・年 収:800万円前後
・付加条件:両親が近くに住んでいる。
・きっかけ:娘も生まれ、現在賃貸で借りている部屋が手狭になってきている。不動産の購入を真剣に考えているが、共働きのため、出来れば両親の住む周辺で探したい。両親も近くに住むのであれば、購入資金の援助をしてもよいとのことだったため、探し始めたところ、理想に近い条件の物件の折込広告が両親の住む地域に入り、内見に至った。
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上記のペルソナは、実際に弊社で作製したものを、わかりやすく短くしたものです。
ペルソナを作製する際は、必ず実在する人物を基に作製してください。売却したい不動産の周辺にお住まいの方などは、ペルソナの実例として有効です。
購入者需要を満たす販売方法
ペルソナは、理想の人物像です。販売活動は、この理想像に情報がより効果的な方法で届くように決定していきます。
前述のペルソナの場合、情報を届けるべき相手は「購入者」と「購入者の両親」です。そして、ペルソナが求めている情報は、「両親の家に徒歩圏内の立地」と「子育てに適した環境」です。
販売活動は、この二つを意識して以下のように決定していきます。
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『ペルソナに届く販売活動』
■作製する広告のアピールポイント
1.こどもが遊べる場所や教育環境などの情報を多く入れる。
2.物件の場所をわかりやすく表示する。
3.子育てに適した建物リフォームプランを載せる。
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※出来るだけ詳細に作製。
■広告媒体
1.周辺地域への情報を網羅する:新聞折込広告のみならず、DM等も行う。
2.インターネット広告:ペルソナを意識したキャッチコピーにする。
3.ペルソナの年収に近い世帯が多いマンションへのDM
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※出来るだけ詳細に作製。
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方法論のみお読み頂くと、あたりまえのことに思われるかもしれませんが、実際に売却が出来ていない不動産情報を確認すると、ほとんどの場合、効果的な販売活動が行われていません。ペルソナを意識する・しないで販売活動の成約率と期間は大きく変わってきます。
実際に、1年間近く売却できていなかった不動産が、条件・金額をほとんど変えずに1週間で売却できた事例もあります。
数多く存在する不動産の物件情報の中で、他の物件と同じように情報を提示しているだけでは、物件の持つ魅力は埋もれやすくなります。
より興味を持つ人に、効果的に情報が届くよう販売活動を行うことが成約への近道となりえます。
※広告例:【ディアナコート駒場 × 売却コンシェルジュ】 物件のご紹介とマンションの資産性について
まとめ
いかがでしたでしょうか。
もしかしたら、あなたの不動産が売却できない原因は、市場原理を意識することで簡単に解決できるかもしれません。
たとえば、あなたが本屋に立ち寄ったときに、「ただカテゴリー別に陳列されている本」と「あなたの悩みが解決しそうなポップ書きがある本」であれば、同じ本であっても後者に興味を持つのではないのでしょうか。
それが、不動産の広告になると、カテゴリー別の広告枠に収まり、買主に見つけてもらうのを待っている状況に陥ってしまう・・・。
もし、なかなか売却できない不動産についてお悩みであれば、ペルソナの設定などを見直し、販売活動を再考することをお奨め致します。
今回も最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
この記事を書いた人
- 山﨑 紘靖
- 過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。
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