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【3,000万円控除難問編】実家の土地を…

【3,000万円控除難問編】実家の土地を売る。前編

【3,000万円控除難問編】実家の土地を売る。前編

こんにちは。売却コンシェルジュ代表の山崎紘靖です。

さて、今回は以前にお話した【実家の売却】住宅を売却するときに気をつけたいこと(空家編)。の記事を読んだ方からの質問をご紹介致します。

税理士数人にも確認をしましたが、意見が分かれる特殊なケースの為、正確な答えはでていません。

しかし、「居住用財産3,000万円の特別控除」について様々な意見を有識者から頂けましたので、参考になればと思います。

『質 問』
私の自宅は、父から相続した土地の上に2棟の建物が建っています。1棟は母屋で、現在私と母が住んでいます。母屋の登記は、母の名義になっています。もう一つの棟は、父が生前営んでいた不動産会社が1階にあり、現在は親戚に貸しています。2階には長い間私の部屋がありましたが、2年前に母との同居に切り替える為、母屋に移りました。こちらの建物は未登記です。土地の持分は、私と母で半分ずつ共有しています。
このような場合、私は土地を売却した際に「居住用財産の3,000万円控除」は受けられますか。
(質問抜粋-世田谷区居住の方)

つまり、状況を確認すると、
・母:土地を2分の1所有。建物(母屋・登記有)を所有。⇒ 3,000万円控除を利用できる。
・娘:土地を2分の1所有。建物(離れ・未登記)を所有。⇒3,000万円控除の適用が不明

参考までに、土地査定額は「金2億円」、売却は「来年中」です。

即答は出来ませんでした。

有識者の方の意見も含め、見解をまとめていきます。

わからないときは 『 国税庁ホームページ 』

国税庁

税金でわからないときは、まず「国税庁のホームページ」です。すこし知識のある方には、わかりやすく記載されています。(引用は読まなくてもそのあとに解説しています)

・特例を受けるための適用要件

  1. (1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
    • (注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要です。
      • イその敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
      • ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
  2. (2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

・適用除外

このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。

  1. (1)この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
  2. (2) 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
  3. (3) 別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋

(国税庁ホームページ抜粋)

今回の質問の状況に照らし合わせて確認します。なお、母所有の部分は、3,000万円控除が利用できるため、この記事では娘の部分について説明をします。

①住まなくなってから3年目の年末までの売却か?
⇒母屋に引っ越してから、2年ですので、来年中の売却なら「3年目の年末までの売却」です。

②この特例を受けることだけを目的で入居したのか?
⇒小さいころから部屋として利用しており、成人してからも自宅として利用している。

③一時的な利用か?
⇒長期の利用です。

国税庁のホームページをみると、「3,000万円控除」(以下「控除」とします)を利用できそうです。

ちなみに、「控除」を利用できる場合とできない場合の税額を確認しておきます。

■娘の譲渡益:金1億円(取得費等は除外して計算)
・「控除」を利用不可能:1億×20.315%=税額 約2,031万円
・「控除」を利用可 能:5,000万円-(3,000万円×20.315%)=406.3万円 と 5,000万円×20.315%=1015.75万円
つまり、税額:約1,422万円
※今回は取得費や長期保有の軽減税率は使用していません。

税金が、おおよそ609万円違います。

ホームページを見る限り利用できそうだったので、次に確認をします。

国税庁に電話できいてみました。

2014012610528831

質問者の内容をわかりやすく説明し、ホームページをみると利用できそうな旨を説明すると、以下の会話が続きました。

国税庁(以下「税」):住んでいたと証明できるものはありますか?
私:たとえばどのようなものですか?
税:住民票や電気料金の領収書などです。
私:もちろん住民票はありますが、母屋と同じ住所です。
  電気料金は2年前のものなので保管していないようです。
税:つまり証明できるものがないということですか?
私:他の書類で証明できませんか?
税:建物の固定資産税の請求書はありますか?
私:固定資産税の請求書はありますが、「事務所」として請求されています。
  外観判断だと思いますが、税務署には「事務所」として判断されていたようです。
税:では、3,000万円控除の利用は難しいと思います。
私:実際に住んでいて、これから登記をしても利用できないのですか?
税:こちらが求めている資料がない場合は、利用できないケースが多いです。

だいたいこのような内容でした。

国税庁の立場としては確認できる資料がなければ認めないというものでした。あとは担当の税務署に書類提出して確認して下さい。と最後に言われております。

実際に住んでいたのに利用できない」

これはおかしいと思ったため、数人の「税理士」に確認することにしました。

合計3人の税理士に国税庁の判断も伝えたうえで、確認をしたのですが、見解が分かれました。

はっきりした見解ではないのですが、 「利用できる」:2人・「利用できない」:1人でした。

長くなりますので、詳細は「後編」でお伝えします。

【3,000万円控除難問編】 実家の土地を売る。後編

※判断が難しい案件などは、直接ご相談下さい。

 

 

成功事例

この記事を書いた人

山﨑 紘靖
山﨑 紘靖
過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。

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