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不動産売却を依頼する前に必ず抑えたい媒介契約の種類と正しい選び方

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不動産売却を依頼する前に必ず抑えたい媒介契約の種類と正しい選び方

不動産売却における媒介契約とは、簡単に表すなら「売主が不動産会社に不動産の売却を依頼する契約」と言えます。

不動産関連の仕事をしていなければ、あまりかかわることの無い契約ですが、実は不動産売却においてこの媒介契約はとても重要です。

なぜなら、媒介契約は不動産を売却するうえでは基本的に必要になる契約ですが、間違えた理解で媒介契約を締結し、不動産会社との間でトラブルを起こしてしまうと、あなたはその不動産会社から損害賠償請求をされる可能性も含んでいるからです。実際に、媒介契約をめぐるトラブルで不動産会社の主張が認められ、依頼者が損害賠償を支払った事例も多く存在します。もちろん、その逆も。

 

ここまで、お読みになって「もしかしてこの記事は媒介契約の専門的な難しい内容なのでは・・?」と思われた方もいると思いますが、どうぞご安心ください。

ここでは、媒介契約(ばいかいけいやく)という言葉自体はじめて知ったという方にもわかりやすいように基礎から説明をしていきます。

読み終えて頂ければ、媒介契約の意味が理解でき、あなたが選択すべき媒介契約の種類がわかるようになります。さらに、媒介契約で起こりうる不動産会社とのトラブルも未然に防ぐことが出来るようになるため、是非参考にしてください。

 

媒介契約とは、あなたにとって最適な不動産会社・担当者を選ぶこと

 

媒介契約の内容や種類の詳しい説明に入る前に、媒介契約についての結論的なことをお伝えします。それは、不動産の売却はあなたをサポートする不動産会社や担当者次第で高く売れたり、その逆に結果的に売れないもしくは低い金額での売却になってしまったりするということです。

いまではインターネットの販売が当たり前なのだからどこに依頼しても同じなのでは?とお考えになる方もいるようですが、それは間違いです。特に相場よりも少しでも高く売却するためには、あなたにとって最適な不動産会社・担当者を選ぶことが不動産売却成功の鍵となります。

しかし、「あなたにとって最適な」といっても、あなたが喜ぶような事だけをいう不動産会社と媒介契約を締結したほうが良いというわけではありません。もし、これからご説明する媒介契約の内容を読んでも、なお疑問が残る場合は「自分がもし買主だったら、目の前の不動産会社や担当者から不動産を購入したいか」という考え方で媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶようにしてください。

あなたの不動産を購入するのは、たった一人の買主です。相場より少しでも高く売りたい場合、あなたが深く信頼できない不動産会社や担当者は買主からも信頼されません。逆に信頼できる担当者から自信をもって紹介された案件は相場より少し高くても購入意欲がわくものです。

それでは、早速媒介契約の説明をします。

 

1. 不動産を売るときの媒介契約とは

 

不動産を売却する時に、自分で買主を見つけることはなかなか困難です。一般的には、不動産会社に売却の仲介を依頼して、広告などで広く購入希望者を集ってもらう必要があります。この不動産会社に売却を依頼するときに、売主と不動産会社の間で締結する契約のことを媒介契約といいます。

媒介契約は、売主の保護や取引の安全性、売却の円滑化を図るために書面化することが義務付けられています。

:依頼者の中には、「表に出さずに内々で買主を紹介してほしい」と依頼される方もいますが、たとえ表立った広告活動を行わない場合でも、媒介契約の締結は義務となっています。媒介契約が締結されていない状況では、不動産会社は購入検討者に物件の紹介を行うことができません。

媒介契約には「専属専任媒介契約(せんぞくせんにんばいかいけいやく)」「専任媒介契約(せんにんばいかいけいやく)」「一般媒介契約(いっぱんばいかいけいやく)」の3種類があります。不動産会社は媒介契約を締結するときに、売主にこの3種類の違いを説明し、売主の意思を確認したうえで媒介契約を締結し、すみやかに媒介契約書面を交付しなければいけません。

後ほど説明しますが、専属専任媒介契約・専任媒介契約を締結した場合、不動産会社はその物件を指定流通機構(レインズ)に登録し、積極的に購入希望者を探すことが義務付けられています。

 

大まかに媒介契約の定義が掴めたら、媒介契約を締結する時期の説明に移ります。なお、3種類の媒介契約についての詳しい説明は、媒介契約を結ぶ時期の後に説明しますので、このまま読み進めてください。

 

2. 媒介契約の締結はいつするの?

 

媒介契約を不動産会社と締結する時期は次の図の通りです。

媒介契約締結の時期

媒介契約を締結する時期(タイミング)は、依頼する不動産会社を決定してからとなります。依頼する不動産会社を決めるまでの間については、特に法律上の制限もないため、複数社の不動産会社に売却の相談をすることができます。

自分に最適な不動産会社を見つけるためにも、この時期にできるだけ多くの不動産会社に相談を行うようにしましょう。詳しくは、1,000件以上の不動産を査定した私がお薦めする不動産会社の探し方をご覧ください。

 

では、媒介契約を深く理解するために、3種類の媒介契約についてそれぞれの違いを説明します。売主と不動産会社の間でのトラブルを避けるために、媒介契約の種類の違いは重要ですのでこのまま読み進めて下さい。

 

3. 媒介契約の種類とそれぞれの違いを知ろう

 

媒介契約の種類は次の3種類です。

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約(明示型・非明示型)

それぞれの特徴や違いについては、次の図をご覧ください。

 

媒介契約書の種類

図の通りですが、専属専任媒介契約 > 専任媒介契約 > 一般媒介契約の順で売主に対しても、不動産会社に対しても制限の内容が厳しくなっています(専属専任媒介契約が一番厳しい)

3種類のうち、どの媒介契約を締結するかを決めるのは売主であるあなたです。不動産会社からも媒介契約締結前に、3種類の契約形態について説明がありますが事前に違いについて理解し、どの媒介契約が自分にとってもっとも適切なものかを判断できるようにしておきましょう。

3種類の媒介契約の詳細説明の前に、図の中にもあるレインズについて説明します。媒介契約の違いについても、レインズの仕組みを知っておかなければ深く理解できない為、参考にしてください。

 

◎ レインズとは?

レインズとは、Real Estate Information Network Systems(REINS)の略称で、国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」のことです。レインズには全国の不動産会社が加入しており、レインズネットワークで結ばれています。不動産会社のみが見ることができる物件情報のポータルサイト(スーモ・ホームズ)のようなイメージです。

レインズの仕組みは次の図の通りです。

レインズイメージ

不動産会社は、売主と媒介契約を締結するとレインズにその不動産を売却物件として登録します。レインズに登録された売却物件の情報は、全国の不動産会社から検索することが可能で、検索した不動産会社の顧客(購入検討者)に紹介されます。つまり、不動産売却の窓口が1社であったとしても、売却物件情報は末広がりに広がっていくことになります。
※専属専任・専任媒介契約はレインズ登録義務があり、一般媒介契約にはレインズ登録義務がありません。

不動産をより高く、短期間で売却するためには、レインズを最大限活用し広く購入希望者を募る必要があります。

では、不動産会社のレインズへの登録義務も含めて、3種類の媒介契約についてひとつひとつ説明します。違いを理解し、自分にとって不利になってしまう媒介契約を選ばないようにしましょう。

 

3-1. 専属専任媒介契約:窓口は1社・自己発見取引も×

3種類の媒介契約の中で、もっとも不動産会社との距離が近い契約となります(売主・不動産会社両方に対して制限の内容が一番厳しい)。専属専任媒介契約の内容は次の通りです。

専属専任媒介契約
売主は不動産会社と専属専任媒介契約を結ぶと、その会社以外に売却の依頼を行うことができません。
 (1社のみにしか依頼できない)
売主自ら見つけた買主(知人・友人)と取引する場合でも、仲介にその会社を入れなければなりません。
 (自己発見取引の禁止)
レインズ(指定流通機構)には、媒介契約締結の翌日から5日以内に登録されます
不動産会社から、1週間に1回以上の頻度で進捗報告を文章またはメールで受けることができます。
媒介契約の有効期限は3ヶ月以内です。(更新は可能)

 

以上のことから、専属専任媒介契約を締結した場合の売主のメリット・デメリットは次の通りです。

専属専任媒介契約のメリットとデメリット

 

不動産会社からすれば、専属専任媒介契約で売買契約にいたれば確実に仲介手数料を得られるため、費用をかけて積極的に販売活動を行ってくれます。売主からしても、毎週営業活動報告書が届くので、どのくらいの反響があり、今後どのような活動を展開していくなどの情報を常に共有することができます。

一方で、自分の友人が購入したいなどの場合もその不動産会社を仲介として通さなければならないなどの制限が多い媒介契約です。

大手不動産会社は、専属専任媒介契約又は専任媒介契約でなければ契約ができないと売主に説明することが多いようですが、一度締結してしまうと基本的には3ヶ月の間契約を解除することができないため注意するようにしましょう。

先に説明した以外で専属専任媒介契約についての知っておきたい項目を次の表にまとめたのでご参考にしてください。

 

専属専任媒介契約で抑えておきたいポイント
直接取引の制限 不動産会社との媒介契約の期間は3ヶ月ですが、期間満了後2年以内にその不動産会社が見つけてきた買主と直接契約した場合、不動産会社はその契約に寄与した割合に応じた報酬を売主に請求できます。
他の不動産会社を通じて契約した場合 専属専任媒介契約を締結した不動産会社以外の不動産会社を通して売買契約を行った場合、不動産会社は媒介契約に定められた金額を売主に損害賠償として請求できます。
自己発見取引をした場合 専属専任媒介契約を締結した不動産会社を通さないで自己発見取引を行った場合、不動産会社は媒介契約に定められた金額を売主に損害賠償として請求できます。
売主が媒介契約を期間内に解除した場合 不動産会社に責任がなく、売主が契約期間中に媒介契約を解除した場合、不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。

 

3-2. 専任媒介契約:窓口は1社・自己発見取引は〇

3種類の媒介契約の中で、2番目に不動産会社との距離が近い契約となります。専任媒介契約の内容は次の通りです。

専任媒介契約
売主は不動産会社と専任媒介契約を結ぶと、その会社以外に売却の依頼を行うことができません。
 (1社のみにしか依頼できない)
売主自ら見つけた買主(知人・友人)と取引する場合、直接取引を行うことができます。
レインズ(指定流通機構)には、媒介契約締結の翌日から7日以内に登録されます
不動産会社から、2週間に1回以上の頻度で進捗報告を文章またはメールで受けることができます。
媒介契約の有効期限は3ヶ月以内です。(更新は可能)

以上のことから、専任媒介契約を締結した場合の売主のメリット・デメリットは次の通りです。

専任媒介契約のメリットとデメリット

不動産会社からすれば、専属専任媒介契約と同様に売買契約にいたれば確実に仲介手数料を得られるため、費用をかけて積極的に販売活動を行ってくれます。又、自分の友人が購入するなどの自己発見取引の場合は、媒介契約をした不動産会社を通さずに契約することもできます。

一方で、営業活動報告が2週間に1回となるなど、専属専任媒介契約よりも不動産会社からの報告義務が少なく、販売状況の把握に少し不透明さ感じるかもしれません。

 

❢ 専任媒介契約はおすすめの媒介契約です。

  • 弊社では、この専任媒介契約をおすすめしています。先にも述べましたが、専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結した場合、不動産会社は予算を多く使い広告活動をしてくれます。又、専任媒介契約では自己発見取引を禁止されていません。友人や親類の方があなたの不動産購入を希望した場合、直接契約を行うことができ、仲介手数料が大きく削減できます。報告は2週間に1回となりますが、真剣に取り組んでいる不動産会社や担当者を見つけることができれば頻繁に報告を受けることができます。もし、あなたが信頼できる不動産会社を見つけているのであれば、専任媒介契約を締結することをお薦めします。不動産会社の担当者も熱心に営業活動をしてくれるはずです。

 

先に説明した以外で専任媒介契約についての知っておきたい項目を次の表にまとめたのでご参考にしてください。

 

専任媒介契約で抑えておきたいポイント
直接取引の制限 不動産会社との媒介契約の期間は3ヶ月ですが、期間満了後2年以内にその不動産会社が見つけてきた買主と直接契約した場合、不動産会社はその契約に寄与した割合に応じた報酬を売主に請求できます。
他の不動産会社を通じて契約した場合 専任媒介契約を締結した不動産会社以外の不動産会社を通して売買契約を行った場合、不動産会社は媒介契約に定められた金額を売主に損害賠償として請求できます。
自己発見取引をした場合 専任媒介契約を締結した不動産会社を通さないで自己発見取引を行った場合、不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。
売主が媒介契約を期間内に解除した場合 不動産会社に責任がなく、売主が契約期間中に媒介契約を解除した場合、不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。

※自己発見取引を行った場合の専属専任媒介契約と専任媒介契約の違いがわかりづらいかもしれませんが、専属専任媒介で自己発見取引を行ってしまった場合は、媒介契約書で定められている仲介手数料の全額を請求される恐れがあるのに対し、専任媒介契約で自己発見取引を行った場合は販売に要した広告費などの実費請求を受けることがあるとご理解下さい。

 

3-3. 一般媒介契約:複数社に売却依頼〇・明示義務に注意

3種類の媒介契約の中で、もっとも売主・不動産会社に対して制限の内容が緩い媒介契約です。一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。

一般媒介契約
売主は複数の不動産会社と一般媒介契約を結ぶことが出来ます。
 (複数社に売却依頼ができる)
売主自ら見つけた買主(知人・友人)と取引する場合、直接取引を行うことができます。
レインズ(指定流通機構)への、登録義務はありません
不動産会社は売主に対する報告義務はありません。
媒介期間の定めはありませんが、通常3ヶ月です。

以上のことから、一般媒介契約を締結した場合の売主のメリット・デメリットは次の通りです。

一般媒介契約のメリットとデメリット

売主からすると、複数社に売却を依頼できることが一般媒介契約のメリットです。しかし、あまり知られていませんが、一般媒介契約の場合、不動産会社には積極的に買主を探す義務はありません。営業報告義務もなく、レインズの登録自体も任意項目です。

複数社に依頼することを前提とした契約のため、不動産会社からすると自社で契約できるか曖昧で、販売活動の広告費に多くの予算を割り振ることはしません。インターネットなどには掲載されますが、購入希望者より反響があれば対応するなどの営業方法で積極的な販売活動は期待できません。

 

一般媒介契約には、明示型と非明示型がある。

 

一般媒介契約には、「明示型」と「非明示型」の2種類があります。理解して契約を進めないと不動産会社とのトラブルになることもあるため、違いを確認しておきましょう。明示型と非明示型の違いは次の通りです。

明示型 非明示型
内容 重ねて一般媒介契約を締結する場合、重ねて依頼する(又は、他に依頼した)不動産会社を通知しなければなりません。※1 他の不動産会社に依頼していることを依頼する不動産会社に通知しなくても良い。
通知しなかった不動産会社により売買契約をした場合 媒介契約期間中に、依頼者が他の不動産会社に売却を依頼し、売買契約に至った場合、通知を受けていなかった不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。 特になし
成約したときの売主の報告義務 売主は売却物件が成約したときは、すみやかに媒介契約を締結した全ての不動産会社に成約の旨を通知しなければなりません。売主が成約を通知せずに、他の不動産会社に販売活動を継続させ買主の条件比較を行った場合、損害賠償を請求されることがあります。

特に明示型の一般媒介契約を結ぶときは、それぞれの不動産会社に売主が報告する義務を負うため、注意が必要です。

 

先に説明した以外で一般媒介契約についての知っておきたい項目を次の表にまとめたのでご参考にしてください。

一般媒介契約で抑えておきたいポイント
直接取引の制限 不動産会社との媒介契約の期間は3ヶ月ですが、期間満了後2年以内にその不動産会社が見つけてきた買主と直接契約した場合、不動産会社はその契約に寄与した割合に応じた報酬を売主に請求できます。
他の不動産会社を通じて契約した場合 明示型の一般媒介契約で、売主が他に明示していない不動産会社を通して契約をした場合、不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。
自己発見取引をした場合 売主が自己発見取引で成約にいたった時は、売却を依頼している全ての不動産会社に成約の旨を通知しなければいけません。怠った場合、不動産会社は販売のために要した広告費などの実費を売主に請求することができます。
売主が媒介契約を期間内に解除した場合 契約期間の定めはありません。

 

❢ 一般媒介契約の締結は慎重に!

  • 複数の不動産会社と媒介契約は締結できることは、売主から見ればメリットですが、一方で売主から不動産会社に対しての報告義務が発生するなど、媒介契約の中では一番煩わしさを感じる媒介契約です。また、営業活動を積極的に行ってくれないことや営業報告があまりないなどのもどかしさもあります。弊社ではあまり一般媒介契約はおすすめしておりません。
    ただし、レインズも含めて一切情報を外部に公開せずに売却したい場合において一般媒介契約は有効です。

 

以上が媒介契約の詳細な説明です。不動産売却がはじめての方やあまり慣れていない方は、専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結するようにしましょう。

次の章では、媒介契約に関する売主と不動産会社のトラブル事例をご紹介します。不動産会社とのトラブルを避けるために参考にして下さい。

 

4. 媒介契約に関してよく頂く質問とその答え

 

第3章で媒介契約についての詳細を説明しましたが、お読みの方におかれては専門用語が多く、わかりずらかった部分もあったかと思います。そこでこの章では、はじめて不動産売却をする方からよく頂く質問をQ&A方式で説明していきます。

このQ&Aだけ抑えておくだけでも、あなたにとって最適な不動産会社に出会える確率があがり、不動産会社とのトラブルを未然に防ぐことができるため、是非参考にしてください。

 

◎ Q&Aを確認して、トラブルを未然に防ごう。

 

質問1. 媒介契約前に何社くらいの査定を受けるべきですか?

明確な正解の数字があるわけではありませんが、最低でも3社以上の査定を受けた方が良いでしょう。この記事で説明したように媒介契約についてもわかりやすく説明してくれる不動産会社は誠実にあなたの売却をサポートしてくれるはずです。

 

質問2. インターネットで一般媒介契約がお薦めという記事を見ましたが・・・。

たしかに、インターネット上には売却体験談として一般媒介契約を締結して成功したとの記事もありますが、私からは一般媒介契約を売却がはじめての方にはお勧めしていません。なぜなら、成約する確率が下がってしまう可能性が高いからです。専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結した後に、不動産会社を変えたくなってしまう可能性があるのであれば、媒介契約期間を上限の3ヶ月ではなく、1ヶ月~2ヶ月するなどの対策を行いましょう。

 

質問3. 専属専任媒介契約や専任媒介契約では「囲い込み」をされやすいのでは?
売却依頼をした不動産会社があなたの物件情報を自社のお客様のみに紹介し、同業他社への情報公開を行わない「囲い込み行為」は許せません。しかし、現在ではレインズも囲い込み行為について厳重に対処しており、売主様自身できちんと他社への紹介されているかを確認できるシステムがあります。囲い込み行為を行って問題となっていた大手不動産会社も現在では、囲い込み行為を行っていないように感じます。
レインズのシステムについては、東日本不動産流通機構「取引状況管理について」をご確認下さい。

質問4. 積極的に販売活動をしてくれないときの対処法はありますか?

専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結したにも関わらず、不動産会社が積極的に販売活動をしてくれない場合は、行政庁やその不動産会社が属する宅建協会などに相談を行い、判断を仰ぎましょう。不動産会社に直接不満を伝えても良いのですが、できれば専門機関の意見を引用し伝え、可能であれば媒介契約を解除してもらうようにしましょう。積極的な販売活動がなければ不動産は売却できません。

 

質問5. 自宅のポストに投函されていたチラシに記載されている買主が私の家にピッタリです。この人だけに紹介できますか?

弊社ではチラシを行っていませんが、以前勤務していた会社でよく頂いていた質問です。一般市場に一切公開せず、チラシの方だけに物件紹介を行いたい場合は、不動産会社と一般媒介契約を締結し、レインズ登録を行わないように依頼すれば可能です。ただ、実際には一般市場に広く物件情報を公開し、多くの購入希望者を募るほうが成約する確率は上がります。

 

質問6. ホームインスペクションの実施について意向確認がありました。実施したほうが良いのでしょうか?
平成30年4月以降、不動産会社は媒介契約締結時にホームインスペクション業者あっせんの可否について示し、依頼者(売主)の意向に応じて業者のあっせんを行うことが義務化されました。もし、あなたが中古戸建を売却する場合など、建物状況の安全性が買主の好材料になると判断したのであればホームインスペクションを実施しましょう。私の意見ですが、中古戸建や中古マンションの場合は実施をしたほうが良いと考えています。
ホームインスペクションの詳細については、国土交通省「改正宅建業法施工について」をご参照ください。

5. さいごに:媒介契約は信頼できる不動産会社のみと結びましょう

 

媒介契約に関してのトラブルは多いものです。過去の媒介契約トラブルについては、REITO判例システムで確認することが出来ます。

インターネット上では、一般媒介契約で複数の会社に売却依頼をすることを技術的に説明している記事もありますが、売却がはじめての方やあまり不動産取引に慣れていない方にはお勧めできません。

冒頭に申し上げたように、あなたの不動産を購入するのはたった一人の買主です。あなたが信頼し任せた不動産会社であれば、購入者からも信頼されるはずです。信頼できる不動産会社を媒介契約締結前までに見つけ出せるかの方が、どのような媒介契約を結ぶかというテクニカルなことよりも重要です。

売主側においては、この記事の内容を理解していれば媒介契約についてはこれ以上の知識は必要ないと考えています。あなたの不動産売却が成功するために、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

 

 

 

成功事例

この記事を書いた人

山﨑 紘靖
山﨑 紘靖
過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。

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