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【自主管理マンションの売却】「売りにくい…

【自主管理マンションの売却】「売りにくい」を克服する7つのチェックポイントと5ステップ

【自主管理マンションの売却】「売りにくい」を克服する7つのチェックポイントと5ステップ

「相続したマンションを売ろうとしたら『自主管理のマンションは売りにくい』と言われたが、何が問題なのかよくわからなかった」
「住んでいて何も問題はなかったが、売るとなると自主管理のマンションは不利になると聞いて驚いた」

弊社に自主管理のマンションの売却依頼を頂く売主様からは、こんな声をたくさんお聞きします。

しかし、自主管理だからという理由だけでマンションが売れないということはございませんので、ご安心ください。
管理状況を明確に開示することで、購入検討者の不安を払拭できる可能性があります。

この記事では、自主管理のマンションをお持ちで、そのお部屋の売却をお考えの方に、「何をすればいいのか」「どこに気をつければいいのか」をわかりやすく、ひとつずつ丁寧に解説していきます。

まず最初に:マンションの管理方式は3種類あります

マンションの管理には、大きく分けて次の3つの形があり、売却のしやすさや必要となる準備がこの管理方式によって変わります。

① 全部委託管理(最も一般的)

すべての管理業務を管理会社に任せている方式です。管理に関する書類も不備なく揃い、買主も安心して購入を進めることが出来ます。

② 一部委託管理

清掃や会計など一部だけ管理会社に任せ、それ以外は住民で対応する方式です。自主管理に比較的近く、書類の作成が管理組合側になることもあります。

③ 自主管理 ← 今回のテーマ

管理会社を入れず、区分所有者(住人)だけで管理しているマンションです。築30~50年の小~中規模マンションに多く、管理状況はマンションにより大きくことなります。売却時には、書類の準備などは全て管理組合(区分所有者側)にて対応する必要がある管理方式です。

 

自主管理マンションが「売りにくい」と言われる3つの理由

自主管理マンションが市場で懸念されやすいのは、主に以下の3点に集約されます。

1. 必要書類が揃わない場合がある

管理会社がいないため、管理に係る必要な書類はすべて自分たち(管理組合)で用意する必要があります。書類の作成や管理がどの程度まで行われているかは、マンションごとに大きくことなり、売却時に「必要な書類がない」という事態になりやすいのがネックです。

2. 買い手が将来に対する不安を感じやすい

管理会社が介在していない為、マンション管理に関する透明性が低いと見なされがちです。「修繕積立金は将来の大規模修繕に備えてちゃんと貯まっている?」「建物に隠れた不具合はないか?」と購入検討者の不安につながりやすい側面があります。

 

3. 住宅ローンの審査が厳しくなりやすい

マンションを購入する買主様のほとんどが住宅ローンを利用します。管理状況や修繕計画が不十分な自主管理マンションの場合、銀行が融資先の担保価値を低く評価し、ローンの審査が難航するケースが多くあります。

 

しかし、自主管理のマンションでも、管理状況を正確に開示し、しっかりと売却の準備を行えば、相場に近い価格で売れている事例もたくさんあります。準備を怠らなければ大きなマイナスにはなりません。

まずは、売却前にぜひ確認してほしい7つのポイントを抑えておきましょう。

 

売却前にぜひ確認してほしい7つのポイント

これらの情報は、そのまま買主様への安心材料となります。

1. 管理費・修繕積立金の滞納状況

売却するお部屋だけではなく、マンション全体の滞納も含めて確認してください。既に積み立てられている修繕積立金の総額や、滞納の有無、滞納に対する管理組合の対応状況は、購入検討者や銀行にとってとても重要な判断材料となります。

2. 修繕積立金の金額は十分ですか?

国土交通省のガイドライン(令和6年6月改定)では、70㎡のお部屋の場合、月額約17,600円~22,400円程度が安心できる目安とされています。長期修繕計画に基づき、大規模修繕に向けて、着実に積立がされているかは、重要な判断材料です。

3. 直近3年分の総会議事録は残っていますか?

特に総戸数が少ない自主管理マンションでは、「総会を開いていない」「議事録がない」と伺うこともございます。総会議事録がない場合は、管理体制の健全性に疑問が生じるため、予め売却を依頼する不動産会社に伝えるようにしましょう。

4. 大規模修繕工事の履歴(直近15~20年)

大規模修繕工事の実施の有無は、購入検討者にとって大きな関心事です。過去に一度も実施していない場合は、今後の実施予定や、大規模修繕までではなくとも、主要な修繕履歴(屋根、外壁の一部補修など)を把握するようにしましょう。

5. 管理規約・使用細則は最新版ですか?

新築時に作成された管理規約・使用細則の内容が時を経て変更になっていることはしばしばあります。ペット可になった、民泊禁止条項が入った、など購入検討者の判断に影響を及ぼす変更事項が、後から判明するとトラブルになる為、最新版を準備し、変更履歴も把握しておきましょう。

6. 理事長さんや理事さんは書類作成などに対応してくれそうですか?

不動産売却中は、重要書類の作成や管理に関するお問い合わせで、管理組合の理事長や理事に何度かご協力をお願いすることになります。売却に必要な情報を滞りなく開示頂くことが、不動産売却の成否を分ける重要事項となります。

7. 駐車場・駐輪場の使用ルールは明確ですか?

自主管理では「誰がどこを使っているか」曖昧な状況になりやすく、不要な自転車が放置されている場合もあります。購入後に買主様が困らないように、使用者の特定、空きの状況、そして管理状況を確認しましょう。

 

自主管理マンションを売るための5ステップ

自主管理マンションの売却は、この手順通りに進めることで、成功率が高まります。

 

ステップ1 必要な書類をリストアップして集める

マンション売却に最低限必要なものはこちらです。

・管理規約・使用細則
・直近3年分の総会議事録(※なければ、その状況を不動産会社に伝える)
・修繕積立金の残高がわかるもの
・長期修繕計画書(※なければ「作成していない」旨を不動産会社に伝える)
・【最重要】重要事項調査報告書

→「重要事項調査報告書」とは、管理組合が「管理組合の運営状況、管理費・修繕積立金の総額、1戸当たり金額、修繕積立金の総残高、滞納状況」などをまとめた書類です。

管理会社に委託している場合は、管理会社が作成してくれます。自主管理の場合は、理事長様・理事様に作成を依頼します。
この調査報告書は、不動産会社が買い手に渡す重要事項説明書に添付される重要書類です。

作成できない場合は、不動産売却自体が進められないことになりかねないので、不動産会社と協力して作成できるよう、早期に着手しましょう。

ステップ2 理事長さんに早めに相談に行く

自主管理マンションの売却成功の最大のポイントです。「実はマンション(お部屋)を売却しようと思っていて、書類作成のご協力をお願いできますか?」と丁寧にお伝えください。
また、不動産売却を進める中で、細かく連絡を取り合うこととなる為、良好な協力関係を築いておきましょう。

主にお願いする内容は2つ:

1. 重要事項調査報告書の作成と押印
2. 不動産会社からの問い合わせに対応していただけるか

 

理事長様の協力が得られることで、売却の難易度がぐっと下がります。通常は、売主様と売却を担当する不動産会社の担当者が一緒にご挨拶に伺います。

 

ステップ3 自主管理を得意とする不動産会社を探す

自主管理マンションの特殊性から、全ての不動産会社が売却を取り扱えるわけではありません。また、担当者により知識量がまちまちで、知識や経験が少ない担当者を選んでしまうと、売却の失敗や購入者とのトラブルを招いてしまいます。

インターネットで「自主管理マンション 売却 専門」などと検索して、対応可能な会社を2~3社選び、無料査定を通じて、自主管理マンションの売却に精通している経験豊富な担当者を選びましょう。

 

ステップ4 価格は相場の8~9割くらいを目安に(管理状況次第で変動)

売却を依頼する不動産会社が見つかったら、次は売出金額の設定です。一般的に、管理体制が不透明だと見なされた場合、同じ築年数や立地条件のマンションでも、成約する金額が10~20%安くなる傾向があります。

管理状況が著しく悪い場合は、40%近く廉価になることもあります。

でも、書類がしっかり揃っていて修繕積立金も十分なら、相場に近い価格で売れているケースもたくさんあります。あなたのマンションの管理状況を正確に把握し、不動産会社の担当者と綿密な打ち合わせをして決めましょう。

 

ステップ5 購入検討者には管理状況を正直に伝える

販売活動中は、多数(複数組)のお客様のご案内があります。不動産会社より購入検討者には、「自主管理であること」「管理会社がいないこと」は事前にお伝えしておりますので、売主様におかれては、**ごみ出しのルール、清掃の頻度、共用部分の維持管理の状況など、**生の情報を正確にお伝えください。

現状を正確にお伝えすることで、購入検討者は安心して購入判断を行える状況となり、**後の「契約不適合責任」リスクを避けることにもつながります。**

 

実際にあった失敗事例(こうならないために…)

・理事長さんが高齢で対応できず、重要事項調査報告書が作れなくて売却が進められない。
・修繕積立金が赤字となっており、将来の修繕費用として多額の一時金が予想され、安値での売却となった。
・管理費と修繕積立金を合計して管理しており、会計処理が杜撰であったため、銀行融資が下りなかった。

 

こういう事例は多いのですが、事前に正確に状況を把握し、対策を講じることで、解決策を見つけることが出来ます。

 

最後に:今が動きどきかもしれません

2024年4月から法律が変わり、管理が不十分なマンションには行政が指導に入れるようになりました(マンション管理適正化法の改正)。今後、修繕積立金が少ない自主管理マンションは、銀行の融資姿勢も厳しくなり、ますます売りにくくなる可能性があります。

もし「そろそろ売ろうかな」と思っているなら、ぜひ今のうちに一歩踏み出してみてください。

少しでも不安を感じたら、自主管理マンションの売却に精通している不動産会社に、無料査定や相談を受けてみてください。きっと親切に教えてくれる不動産会社に出会えると思います。

もちろん、私共へのご相談も心よりお待ちしております。

 

成功事例

この記事を書いた人

山﨑 紘靖
山﨑 紘靖
過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。

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