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再建築不可の不動産を「少しでも高く」売却…

再建築不可の不動産を「少しでも高く」売却するヒント

再建築不可の不動産を「少しでも高く」売却するヒント

『再建築不可』…建築基準法上の道路に接道義務を満たしていない土地建物。

都心部や古くからの住宅街に多く存在し、その接道状況を解決しない限り、周辺相場より大きく下落して取引をされる不動産です。

再建築不可の不動産が取引される価格は、一般的に市場相場の5~6割程度とも言われております。

隣接する敷地を通行しないとたどり着けない場合も多く、越境などの問題を抱えているケースもしばしば。

行政による解決措置も少なく(ほとんど存在しない)、結果的に築年数だけが古くなり、空き家問題の原因のひとつともされています。

では、この再建築不可の土地建物を所有し、売却を考えるときにどのような方法をとれば、より有利に進めることができるのでしょうか。

この記事では、再建築不可の不動産を「より高く」売却するヒントをご紹介します。

なお、今回の記事に記載されている「再建築不可」の不動産の定義は、「その不動産単体では、絶対に再建築ができないこと」とします。道路の拡張などで解決できる方法をお知りになりたい場合は、「再建築ができない土地の質問⇒解決」をご参照ください。

最後までお読み頂き、再建築不可物件の売却のお役に立てれば幸いです。

※この記事は、再建築不可の不動産を、市場相場価格の7~8割で売却することをゴールとします。

売却における再建築不可のデメリット

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ます、再建築不可の物件の売却におけるデメリットを2つ確認してください。

再建築ができない

建築基準法の接道義務を満たしていないため、再建築ができません。合わせて、建築確認申請を要する行為(増築など)もできません。

火災で全焼してしまった場合なども、再建築することはできません。(半焼の場合はリフォームができる場合がある。)

購入者が銀行融資を受けられない

現在の銀行の審査基準の場合、再建築不可の不動産に対する融資は難しく、まれに融資を行う金融機関もありますが、ほとんどの場合、購入者は現金での購入となります。

不動産自体が高額となるため、現金でしか購入できない再建築不可の物件は、必然的に流通性が低くなります。

以上の二つが大きなデメリットと言えます。

では、再建築不可の不動産を売却する場合は、どのような方法をとれば、より高く売却できるのでしょうか。

隣接地と協力する

まず、下記図をご参照ください。

再建築不可

東京都心部にて実際に取り扱った再建築不可物件の公図です。

青色が建築基準法上道路です。接道義務を満たしている土地は、A・B・Cとなります。その他の①~④はすべて再建築不可の土地となります。

この事例を基に、具体的な販売手法を説明していきます。

建築可能な隣接地に売却する

もっとも基本的な土地を活かすことのできる方法です。

売却したい土地が①であれば、AかBに売却できれば、土地は再建築不可ではなくなります。

交渉する際には以下のことに留意して交渉するようにしてください。

『隣接地との交渉において留意すること』

ⅰ:提示する金額は、市場相場の7~8割弱程度にする。
ⅱ:土地が建築できるようになった際の土地価格がわかる資料を準備する。
ⅲ:問題が解決することも説明を行う

ひとつひとつ説明していきます。

ⅰ:①の土地が再建築不可である不動産ということは、隣接地も十分理解しているはずです。もし、購入を考えている場合でも相場と同等の金額では、ご承諾を頂けないと考えるほうが良いでしょう。

最初から再建築不可の市場相場と言われている5~6割まで下げる必要はありませんが、7~8割程度で提案を行い、相手に割安な感触を抱いて頂くのは重要なことです。

ⅱ:たとえば、AかBの所有者が①を購入すれば、①の土地は再建築不可でなくなります。つまり、市場価格と同等の価値となるため、①を買った隣接地所有者は、購入資金以上の資金増となります。

周辺相場を基に、市場価格を計算し、①の土地が割安であり、地続きになったことで価値が上がることを説明できる資料を準備するようにしましょう。

ⅲ:①や②の土地に入るためには、AかBの土地を通行しなければなりません。言い換えれば、現況だとAかBなどの土地は第3者に敷地を通行されている状況ともいえます。

再建築不可の土地は現行の建築基準法に則っていないため、古くからの関係でお互いに承諾しているケースが多いのですが、もし①が知らない第3者に売却された場合、その第3者が敷地内を通行することになりかねません。

AかBが購入した場合は、第3者が通行するリスクもなくなるため、交渉の際は、ご説明するようにしましょう。

建築可能な隣接地と一緒に売却する

もし、私が①の土地所有者であれば、同じく再建築不可である②の土地所有者の賛同を得て、AやBとともに一緒に売却をすることを提案します。この場合の交渉時における留意点は以下の通りです。

『隣接地との交渉において留意すること』

ⅰ:提示する金額は、市場相場の7~8割弱程度にする。
ⅱ:単体で売るよりも得られる金額が大きいことを説明する。

連動している項目なのでまとめて説明します。

ⅰ・ⅱ:隣接地に購入してもらうことと同様に、金額設定は市場価格の7~8割とします。売却する時期を合わせてもらっていることもあり、おそらく市場価格と同等の金額ではAもしくはBの承諾は得られないと思います。

重要なことは、一緒に売却するときに発生するAやBのメリットです。

例えば、市場価格の指標を「100」としたとき、再建築不可物件が「50」だとします。それぞれ単体で売却した場合の指標は変わりません。

しかし、Aと①が同時売却した場合、Aの敷地と地続きになるため、①は再建築不可が解消され、理論的には、「200」で売却できることになります。しかし、①は「70」で提案しているため、Aは同じ売却を行うだけで「130」得ることができます。

口頭ではわかりにくい為、実際の金額の指標を準備し、交渉するようにしましょう。

ちなみに、都心部の再建築不可物件の特徴のひとつに、「敷地面積が狭い」ことがあげられます。もし利便性が高い立地の場合は、まとまった土地が少ないため、希少性も伴い、金額が高くなる可能性があります。

事例図のBと①~③が同時売却を行えば大きく金額を伸ばすことが可能かもしれません。

以上が「隣接地と協力する」の説明となります。

重要なことは、「隣接地に同時売却するメリットをきちんと伝えられるか」という点です。不動産会社とも協力し、資料をもって説明することをお勧め致します。

では、建築可能な隣接地(A・B・C)に購入や同時売却を断られた場合は、どのような方法をとればよいのでしょうか。

投資用物件として販売する

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隣接地への交渉がうまくいかない場合は、投資用物件としての販売を考えます。

なぜ投資用として考えるか

買主の視点からみると、再建築不可の物件は、当初のデメリットでも触れたとおり、銀行融資が受けられず、現金購入する必要があります。

一方で、購入金額が市場相場よりも割安感があるため、その地域ではまず購入できないであろうと思われる金額でも不動産を取得することが可能な場合もあります。

投資家にとって重要な賃料も、建築出来るか出来ないかは賃貸の借主にとっては関係がないため、再建築不可を理由に賃料が低いことはありません。
※接道義務を満たしていないこともあり、駐車場スペースがないなどの問題は存在します。

不動産投資を行う前に、「(年額賃料 ÷ 購入金額) × 100 = 表面利回り(%)」の方法で、利回りを計算しますが、再建築不可物件の場合、この利回り表記を高く設定することが可能です

では、実際にどのような価格設定で販売を行えばよいのでしょうか。

販売価格の設定方法など

まずは、価格設定の留意点を挙げておきます。

『価格設定において留意すること』

ⅰ:表面利回りは、10%以上にすることが望ましい。※1
ⅱ:賃貸用のリフォームであれば施行できる可能性が高い
ⅲ:固定資産税などのランニングコストが安いことも伝える

※1:平成28年7月の市場においての指標です。

ひとつひとつ説明していきます。

ⅰ:同地域内で、再建築不可ではない類似戸建の賃料が20万円だと仮定します。

現在は、アベノミクスの影響もあり、利回りが低い収益物件が多いので、表面利回りを7%と設定します。すると、「(20万円×12カ月)÷7%」で、この物件の販売価格は、約3,430万円となります。

では、再建築不可物件で計算をしてみます。一般的な住宅用として販売する場合、再建築不可物件は市場価格の5~6割程度の金額で流通しているため、販売価格は、約1,715~2,060万円となります。

しかし、例えば利回り10%の投資用物件として当該再建築不可物件を査定した場合、販売価格は約2,400万円となります。

あくまでも、現在の不動産市況が良いことに起因している計算の為、リーマンショックなどの経済危機が起きた場合は、投資用物件としての販売は難しいという結論に至ることもあります。

ⅱ:再建築不可のデメリットでも触れましたが、建築確認申請を伴う改築・増築等を行うことはできません。しかし、範囲を限定した改築は可能なため、賃貸のために施工するリフォームはできる可能性が高いといえます。(リフォームの施工にあたっては、物件によって条件が異なるため、専門業者にご確認下さい。)

ⅲ:再建築不可物件は、固定資産税評価が低く、それに伴い固定資産税年額が低くなります。実際の収入が増えるため、推奨ポイントとして伝えるようにしましょう。

簡易的にご説明しましたが、実際には物件ごとに要件が大きく異なることが多く、不明点等は専門家にご相談ください。

まとめ

実は、再建築不可の不動産は、建物の築年数が古いことが多く、建物評価が出来ないことを理由に、土地としての販売をしていることが多くあります。

しかし、記事をお読みの方はお気づきかと思いますが、(隣接地が購入したり、隣接地と同時売却を行う場合以外は)建物の間取り図や想定利回りも販売図面に載せ、投資家にも情報が届くようにしたほうが有利に売却することができます。

どんな不動産でも、メリット・デメリットが必ずあります。そして、購入者によってメリット・デメリットの享受する値が違うことも事実です。

その不動産を必要としている人物像(ペルソナ)を設定し、徹底的にその方に情報が届くような手法を組み立てることが、最高額への近道かと思います。

今回も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

ご不明点やご相談等はお気軽にお問合せください。

 

成功事例

この記事を書いた人

山﨑 紘靖
山﨑 紘靖
過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。

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