【売却コンシェルジュ】質問|相続で主人の兄弟ともめています
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こんにちは。売却コンシェルジュの山﨑紘靖です。
さて今回は、お客様より頂いた相続に関するご質問を紹介します。相続については、以前にも記載いたしましたが、残念ながら争いごとになる場合も多くあります。正しい知識を理解したうえで、お話合いを進めることが重要です。
『質 問』
3ヶ月前に主人がなくなりました。私たちには子供がなく、夫婦二人の生活でした。主人が書いた遺言書には自宅の土地・建物は全て私に相続させるという内容が書かれていました。私自身は現在老人ホームで生活しているため、自宅を売却し、老人ホームの施設料として利用するつもりです。
しかし、先日、主人の兄弟より「兄弟にも相続の権利があるので、話し合いたい」と言われました。主人は会社を経営しており、兄弟にもお世話になったため、争いごとにはしたくないのですが、どのように相続を進めれば良いですか。(70代-東京)
質問に沿って考え方をわかりやすくご説明致します。
遺言書は有効?無効?
以前にお話いたしましたが、遺言書は多少費用がかかっても『公正証書遺言』の作成をおすすめしています。今回の相談はご主人が自分で記載した『自筆証書遺言』となります。
自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。確認書類を作成してもらい、遺言書の存在を認めてもらいます。しかし、検認は遺言書が「有効か・無効か」を決めるものではありません。
たとえば、日付の記載がないなどの場合は、無効となります。この有効か・無効かで争いになることもしばしば。
ご相談にお話を戻します。
お手元の遺言書を家庭裁判所の所定の手続きにそって、検認を行ってください。
兄弟の権利
ご相談者様の家族構成は、「主人・奥様・主人の兄弟2人」でした。この場合、法定相続分は次のようになります。
・配偶者:3/4 ・兄弟:1/4
今回は兄弟が2人なので、1/4×1/2=1/8となります。
つまり、遺言がなければ兄弟も法定相続分の権利はあるという理解になります。
しかし、有効な遺言がある場合はその遺言通りの相続となります。
兄弟には「遺留分減殺請求権」が認められないため、遺留分の権利を主張することはできないのです。
遺留分(いりゅうぶん)とは、相続人に留保された、相続財産の一定の割合のことをいいます。 遺言者は、原則として遺言によってその相続財産を自由に処分することが認められていますが、 その自由を無制限に認めてしまうと、本来の相続人の期待をあまりにも無視する結果となってしまい 妥当ではありません。そこで法は、遺留分を定め、その範囲で遺言の自由を制限しているわけです。
ただし、遺留分を害するような遺言(例えば、遺留分を有する相続人がいるにもかかわらず、 第三者に相続財産を全部遺贈するといった遺言など)でも、ただちに許されないわけではなく、 遺留分を有する者が遺留分減殺請求をしてきたときに、その限度で遺贈が効力をもたなくなるにすぎません。 よって、遺留分を害するような遺言をしたからといって、そのこと自体には何ら問題はありません。 (引用:遺留分)
法定相続人の中で、兄弟のみが遺留分を認められておりません。兄弟が相続人になるときは、子供も親もいない場合です。相続から一番遠い存在であるため、遺留分がないと言われています。
ご相談者様のご主人は、遺言を残されているため、有効であれば兄弟には相続の権利がないことになります。
お話合いのときは、法定相続分の説明と遺留分のご説明ができれば、ご兄弟も納得していただけると思います。
寄与分
相続財産の増殖に貢献(寄与)した相続人の相続分については,他のそうでない相続人よりも優遇しようという制度が「寄与分(きよぶん)」という制度です。
民法上,寄与分が認められる場合は,「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付,被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」場合に限定されています(民法904条の2第1項)(引用:遺産相続・遺言作成ネット相談室)
ご相談者様の兄弟には、いままで説明してきたとおり、相続分はないと思われます。しかし、会社経営を手伝っていたとのことですので、寄与分の請求をされるかもしれません。
仮に、兄弟が相続人として寄与分を請求してきた場合の考え方をご説明致します。
まず、寄与分が認められる要件はおおむね次の通りです。
①特別の寄与であること。
②相続開始前までの行為であること。
③対価を受けていないこと。(無償性)
④被相続人の財産の維持又は増加との間に因果関係があること。
⑤客観的な資料等で説明できること。
など。
もし、ご兄弟が会社経営を手伝い、ご主人の財産の増加に寄与し、なおかつ対価(たとえば給料)をもらっていない場合などは『寄与分』として認められる可能性はあります。
しかし、従業員としての報酬を得ていた場合、明らかな安価での仕事などの証明ができない限り寄与分が認められることは難しいと考えられます。
寄与分の請求をされた場合は「客観的な資料」の提示を求め、支払うべきもののみ支払うとしたほうがよいでしょう。
ちなみに、私も弁護士先生に寄与分の質問をよくします。ほとんどは認められないものですが、たとえば「資金提供をうけ、株式投資を行い、元本と利益を返していた」などの場合は寄与分が認められるかもしれないとのことです。あくまでもお伺いした弁護士の見解ですが。
まとめ
いかがでしたか。じつは、最後にお話した『寄与分』については、争いの原因で多いことのひとつです。
「親がなくなるまで介護をしたので寄与分として…」
「仕事をやめて親の介護をした…」
「毎日ごはんをつくりにきていた…」 など
実際に私が受けた相談ですが、あくまでも寄与分は「被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした(民法)」場合に認められます。
親の介護をしていたという状況のみでは認められない場合が多いと考えられます。
やはり、争いにならないためにも「公正証書遺言」を作成しておくことが良いでしょう。
相続でのご不明点等ありましたら、お気軽にご相談ください。
秘密厳守にて承ります。
この記事を書いた人
- 山﨑 紘靖
- 過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。
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