隣の木が越境してきたら、あなたはどうする？

隣の家の木の枝が境界塀を越えて伸びてきている。落ち葉が積もって掃除が大変だし、ひどい時には枝が屋根に当たって傷をつけそう…。こんな経験、ありませんか？
実は、こういう「隣地からの樹木の越境」は、意外と身近なトラブルなんです。特に、不動産を売却しようと考えている人にとっては、「このまま放置して大丈夫かな？」と不安になるポイントですよね。
このブログでは、隣地からの樹木越境が起きたときの対処法をステップごとに解説しつつ、それが不動産売却にどう影響するのかまで詳しくお伝えします。不動産売却のプロとしての視点も織り交ぜながら、初心者でも分かりやすい内容にしていきます。最後まで読めば「これで解決できる！」という道が見えてくるはず！

 

第1章　樹木越境って何？基本を押さえよう

1-1. 越境問題の定義

「樹木の越境」とは、簡単に言うと、隣の土地にある木の枝や葉が自分の敷地に入ってくることです。例えば、隣の庭の桜の枝があなたの家の屋根にかかっていたり、幹が大きくなりブロック塀を押しているケースですね。
これは単なる「迷惑」にとどまらず、法律的な権利や責任が絡む問題になります。日本では、民法という法律がこの辺りを定めていて、ちゃんとルールがあるんです。

1-2. 民法233条って何？

日本の民法233条では、隣地からの樹木越境についてこんな風に書いてあります（簡単に意訳しますね）

• 「隣の土地の木の枝があなたの敷地に伸びてきたら、まずその木の持ち主に『切ってください』と頼むことができる。」
• 「もし頼んでも切ってくれなかったら、自分でその枝を切ってもOK。ただし、勝手に切る前にちゃんと相手に伝えるのがルール。」
• 「根っこが伸びてきた場合も、自分で切ってもいいよ。（実は根っこは、枝と違って事前通知なしで切ってもOKとされています。）」
  つまり、「越境してきた部分は対処できるけど、いきなり切るのはNG。まずは話し合いを」というのが基本スタンスなんです。

1-3. 現実にはどうなるの？

法律ではそう書いてあるけど、現実はもう少し複雑。隣人が「いや、この木は大事だから切らないよ！」と言ってきたり、「自分で切るなら訴えるぞ」と言い出したりすることもあるかもしれません。
さらに、不動産売却を考えている場合、「越境してる木があるまま売っちゃうと、後でトラブルになるかも…」という心配も出てきます。ここから先は、そんな現実的な対処法を掘り下げていきます。

 

第2章：樹木越境が起きたら？実践的な対処法

2-1. ステップ1：まずは隣人と穏やかに話し合う

越境問題を解決する第一歩は、やっぱり「話し合い」です。でも、いきなり「あなたの木が迷惑なんですけど！」と切り出すと、関係がこじれちゃうかも。
自然に話しかける例:
「最近、そちらの木の枝がうちの庭に伸びてきてて、落ち葉がちょっと大変で…。お互い気持ちよく暮らしたいので、少し剪定していただけると嬉しいんですが、どうでしょう？」
こんな風に、相手を責めずにお願いするトーンで話すと、うまくいく可能性が上がります。ポイントは「穏やかさ」と「具体性」。どの枝がどれくらい困ってるのか、ちゃんと伝えるのが大事です。

2-2. ステップ2：話し合いで解決しない場合の選択肢

隣人が「いや、切る気はないよ」とか「忙しくて対応できない」と言う場合、どうしますか？ここで慌てず、次の手を考えましょう。

• 選択肢1：自治体の相談窓口に聞いてみる

多くの市区町村には「近隣トラブル相談窓口」みたいなものがあります。例えば、「うちの自治体ではどう対応してるの？」と電話で聞いてみると、「こういうケースではまず文書で通知を」とか具体的なアドバイスがもらえることも。

• 選択肢2：専門家に相談

弁護士や司法書士、不動産会社に相談するのも一つの手。特に、不動産売却を控えているなら、「このまま放置すると法的なリスクがあるか」をプロに確認する価値があります。初回相談無料のところもあるので、気軽に問い合わせてみてもいいですね。

• 選択肢3：自分で切る

民法233条に基づいて、自分で越境部分を切ることもできます。ただし、注意点がいくつか：

• 事前に隣人に「〇月〇日までに切っていただけない場合、こちらで切らせていただきます」と通知する（書面で残すのがベスト）。
• 木を傷つけないよう、必要な部分だけ切る。
• 切りすぎて「財産を壊した」と訴えられないよう、写真や動画で証拠を残しておく。

※トラブルになる可能性があるので、強硬的に進めるにはあまりお薦め出来ません。

2-3. ステップ3：解決後の記録を残す

解決したら、「これで終わり！」と安心したいところですが、一応記録を残しておくのが賢明です。例えば：

• 隣人と合意した内容をメモに残す。
• 切った後の写真を撮っておく。
• 自治体や専門家に相談した記録を保管。
  これは、不動産売却のときに「ちゃんと対応済みです」と証明する材料にもなりますよ。

 

第3章：不動産売却にどう影響する？知っておきたいポイント

3-1. 越境問題が売却価格に与える影響

「隣の木が越境してるくらいで、売却に影響なんてあるの？」と思うかもしれませんが、実は結構あります。

• 購入検討者の印象: 「このまま樹木が伸びてくると、建物の傷や落ち葉清掃など、お隣と揉めてしまいそう・・・」などと思われると、敬遠されがち。
• 価格交渉: 越境の解消を買主側で行う場合は、剪定・伐採費用や隣地と揉めている場合は弁護士費用なども含めて、価格交渉をされることもあります。

樹木の越境は、購入後も長く続く問題の為、売却を担当する不動産会社も注意深く確認するチェックポイントです。トラブルを抱えている場合には、当然価格にも影響してきます。

3-2. 境界線のトラブルにも発展するかも

樹木の越境があり、それが理由でお隣との関係が悪化してしまうと、土地の境界標などを確認する際に立ち会ってもらえないなどのトラブルに発展することがあります。

• 境界確定の重要性: 不動産売却では、土地の境界がはっきりしてるかどうかが大事。越境がきっかけで境界の確認・確定が出来ないとなると、解決に時間もお金もかかります。（最悪の場合、境界確定が出来ない場合もあります。）

3-3. 売却前にやっておくべき対策

「売却するなら、越境問題はどこまで解決すべき？」という疑問に答えます。

• 最低限: 隣人と話し合って、越境部分を切るor切ってもらう。
• 理想的: 境界線を明確にして、書面で「越境問題は解決済み」と合意を取る。
• プロに任せる場合: 不動産会社に「こういう状況なんですが…」と相談すると、売却プロセスの中に越境の解消も組み込んでくれます。

樹木の越境がある場合は、不動産売却を始める前に早めに動き出すことが大切です。

 

第4章：よくある質問とその回答

Q1. 勝手に切ったらダメなの？

いきなり切るのはNGです。民法上、まず隣人に「切ってください」と伝えるのがルール。それでも対応してくれない場合に限り、自分で切る権利が発生します。ただし、事前通知と証拠残しは忘れずに！

Q2. 越境してる木が枯れてたらどうなる？

枯れてる場合も基本は同じ。隣人に「枯れてる木が危ないので対応してほしい」と伝えて、それでもダメなら自分で切る。ただ、枯れてると倒れるリスクもあるので、早めに相談するのが安全です。

Q3. 売却前にどこまで解決すべき？

最低限、越境部分があなたの敷地に入らない状態に。理想的には、隣人と書面で合意を取って、買い手に「問題なし」と安心感を与えられるとベストです。

 

結論：早めに動けばトラブルも減って売却もスムーズに！

隣地からの樹木越境は、放っておくと小さなストレスから大きなトラブルに発展することもあります。でも、今回紹介したステップを踏めば、穏便に解決できる可能性がグッと上がります。
特に不動産売却を考えているなら、「早めに解決を図る」が鉄則です。隣人との関係を保ちつつ、売却価値を下げないためにも、早めに行動を始めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。皆様のお役に立てていましたら幸いです。