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売却コンシェルジュBLOG親が老人ホームに入居したら絶対に知っておきたい実家売却の税金。【譲渡税編】

2017年4月3日(月)

親が老人ホームに入居したら絶対に知っておきたい実家売却の税金。【譲渡税編】

親が老人ホームに入居したら絶対に知っておきたい実家売却の税金。【譲渡税編】

『親の不動産を売却したが、多額の譲渡税(売却の利益に対して支払う税金)がかかることがわかり困っている。売却コンシェルジュの記事に書いてある制度は利用できないでしょうか。』

例年、確定申告の時期になると不動産の譲渡税のことに関して多くご質問を頂きます。

弊社もご相談頂くことは大変嬉しく感謝しておりますが、売却後のご相談でできることはごくごく限られています。(ほとんど対策のしようがありません。)

なかには、事前にご相談を頂き、計画に沿った売却をしていれば、譲渡税を支払わなくて良い事例もあり、心疾しく感じております。

特に「親の不動産の売却に係る譲渡税」については、親(先代)が不動産を取得した時の購入関連の資料(取得費)が残っていないことが多く、売却時に多大な譲渡税がかかってくることが悩みの大部分を占めるように見受けられます。

売却コンシェルジュでは、これまでも市街地価格指数を利用した取得費の計算方法相続空き家の特別控除を利用し、譲渡税を抑えられる可能性を示唆してまいりました。これらの記事も同様に、売却前から計画を立て、実行していくことを前提としております。

今回は、親が老人ホームに入居したら考えておきたい実家売却に係る税金についてわかりやすくご説明致します。事前に準備し、正しく活用すれば譲渡税を軽減することが可能です。最後までお読み頂き、不動産の活用について少しでもお役に立てれば、幸いです。

なお、今回の記事は親御様の意思能力が健全な状態であることを前提に記載をしております、もし、認知症の傾向があるのであれば、【認知症・成年後見制度編】を先にご確認下さい。

売却不動産が『居住用』かどうか。

今回の記事では、『居住用の3,000万円特別控除』『相続空き家の3,000万円特別控除』について、ご説明します。

いずれの控除も、売却する不動産を本人(親・被相続人)が税制上、居住用として利用している(た)必要があります。

では、この税制上の居住用不動産とは何を基準に判断するのでしょうか。

居住用家屋とは

まずは、国税庁HPから措置法第31の3-2を下記に一部抜粋します。

「その居住の用に供している家屋」とは、その者が生活の拠点として利用している家屋をいい、これに該当するかどうかは、その者及び配偶者等の日常生活の状況、その家屋への入居目的、その家屋の構造及び設備の状況その他の事情を総合勘案して判定する。この場合、この判定に当たっては、次の点に留意する。

(1)転勤、転地療養等の事情のため、配偶者等と離れ単身で他に起居している場合であっても、当該事情が解消したときは当該配偶者等と起居を共にすることとなると認められるときは、当該配偶者等が居住の用に供している家屋は、その者にとっても、その居住のように供している家屋に該当する。

(2)次に掲げるような家屋は、その居住の用に供している家屋には該当しない。

①措置法第31条の3第1項の規定の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋、その居住の用に供するための家屋の新築期間中だけの仮住まいである家屋その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(注)譲渡した家屋に居住していた期間が短期間であっても、当該家屋への入居目的が一時的なものでない場合には、当該家屋は上記に掲げる家屋には該当しない。

②主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で有する家屋

簡易的に説明するならば、以下のようになります。

『居住用家屋にあたる家屋』
・居住用家屋≒普段の生活拠点の不動産(土地・建物)
・転勤や入院で一時的に離れていても、配偶者等が住んでいる家屋で、いずれ戻ることが前提の場合は、居住用家屋にあたる。
・家屋に住んだ期間が短くても、居住の目的であれば、居住用家屋となる。

『居住用家屋にあたらない家屋』
・一時利用の場合で、居住の目的でない利用は、居住用家屋にあたらない。
・趣味、娯楽、保養用の家屋は居住用にあたらない。

以上が国税庁の『居住用家屋の範囲』となります。

老人ホーム入所後、自宅は居住用財産となるか

国税庁の措置法では、具体的に老人ホーム入居後に関して、居住用家屋の範囲の記載はありません。

判断基準を調べるため、老人ホーム入居後の自宅の扱いについて、下記のように税務署に確認を行いました。

『税務署への質問』
 長期間、老人ホームへ入居した親の自宅を売却する場合は、居住用財産とみなされますか。
 個別要件にはなりますが、生活の拠点が老人ホームの場合はみなされません。

 ショートステイで老人ホームを利用した場合はいかがですか。
 自宅に戻ることが前提の一時的な入居であればみなされます。個別要件になります。

 転勤の場合は、例えば月に1回程度の帰宅でも自宅を居住用財産にみなすとの見解もありますが、老人ホームに入居しており、月に2回程度の帰宅があった場合はいかがでしょうか。
 生活の拠点が、老人ホームであれば、月に数回帰宅していても、自宅は居住用財産とみなされません。本人と配偶者等は別居していると考えます。

以上の質問から、老人ホームを利用した場合、自宅が居住用家屋とみなされる判断基準は下記のように考えられます。

『老人ホーム利用の場合の居住用家屋の判断』
■居住用家屋とされる場合
・生活の拠点が自宅であること。
・老人ホーム利用は、療養などの一時的なものやショートステイなどであった。

■居住用とされない場合
・生活の拠点が、老人ホームであった。
・長期間の入居である。

※個別要件により判断が変わる可能性があります。

以上を踏まえ、『居住用の3,000万円特別控除』『相続空き家の3,000万円特別控除』についての説明に移行します。

なお、譲渡税の計算方法や特例の基礎については、不動産を売却するとどれくらいの税金がかかるのか?【軽減税率・基礎編】不動産を売却するときの税金は安くなる?【軽減税率と3,000万円控除編】に記載されています。譲渡税の基本的な計算方法や特例の詳細は、当記事では省略します。

居住用の3,000万円特別控除の特例

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前項の見解を基に考えると、親が生活の拠点として老人ホームに入居した場合は、その日から親の自宅は居住用家屋ではなくなることになります。

特例が利用できるのは、3年目の年末まで

居住用の3,000万円控除の特例の利用要件は下記の通りです。

 

『適用要件』
①生活の拠点である自宅の売却である
居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却
③居住期間の制限なし

※その他、要件あり。当記事では省略

つまり、親が生活の拠点を老人ホームに移した日から、3年目の年末までに売却をすることが、この特例を利用できる期限となります。(家屋を取壊した場合は異なる。)

合わせて、売却した不動産が10年を超えて所有している自宅の場合、下記軽減税率を利用することができます。

10年超所有の軽減税率

10年を超えて所有する自宅の売却をする場合は、10年超所有軽減税率の特例を利用できます。要件は下記の通りです。

『適用要件』
①居住用の3,000万円控除の特例要件を満たしていること
②譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超える土地・建物

『特例の税率』
・6,000万円以下の部分 14.21%
・6,000万円超の部分  20.315%

では、実際に『居住用の3,000万円控除』や『10年超所有の軽減税率』を利用できる場合とできない場合では、どのくらいの差が生じるのでしょうか。

特例を利用できる場合とできない場合の差額

居住用の3,000万円控除と10年超の軽減税率は、併用可能です。

以下の例を基に特例が利用できる場合とできない場合の計算をそれぞれ行います。

『例 題』
35年前に購入した自己の居住用の自宅を、金1億円で売却しました。譲渡費用として、仲介手数料・測量代として400万円を要しました。譲渡税はいくらでしょうか。
※取得費は、売却価格×5%の概算取得費とします。

■特例が利用できる場合
①譲渡所得
=1億円-{500万円(概算取得費)+400万円(譲渡費用)}
=9,100万円

②居住用の3,000万円控除
=9,100万円-3,000万円=6,100万円

③譲渡所得税
6,000万円以下の部分
=6,000万円×14.21%=852.6万円

6,000万円超の部分
=100万円×20.315%=20.315万円

特例を利用できた場合の譲渡税
金8,729,150円

■特例が利用できない場合
①譲渡所得
=1億円-{500万円(概算取得費)+400万円(譲渡費用)}
=9,100万円

②譲渡所得税
=9,100万円×20.315%=1,848.665万円

特例を利用できない場合の譲渡税
金18,486,650円

利用できる場合とできない場合の差額
 ・差額金:9,757,500円!

例題では金1億円の売却金額の事例を基に計算をしましたが、居住用の3,000万円控除が利用できるだけでも、最大で約600万円も譲渡税が軽減されることになります。

親が老人ホームに入所してすぐに、思い入れのある自宅の売却を決断することには難しさも伴います。しかし、老人ホーム入所が一時的でない場合、3年目の年末以降の自宅売却には、「居住用財産の3,000万円控除特例」も「10年超所有の軽減税率」も利用できません。

もし、親御様が認知症を発症し、意思判断ができなくなった場合は、後見人制度を利用しない限り、自宅を売却すること自体が難しくなってしまいます。

老後に必要な費用等を算出し、早い段階からご家族でご相談の場を設けることが大切だと考えております。

老人ホーム入居と相続空き家の3,000万円控除について

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平成28年の改正により、相続空き家の3,000万円特別控除の特例が新設されました。

※詳細:『あなたの期限は今年かも?!』空き家相続に係る3,000万円特別控除の特例
1億1,000万円より、1億円で空き家を売るほうが得をする?!相続空き家の3,000万円控除を理解しよう。

この特例の取り扱いについて、国税庁からの通達が発表されましたので、ご説明いたします。

居住用家屋として認められる範囲

被相続人(故人)の居住用家屋の範囲について、被相続人が相続開始直前まで居住していたかどうかの判断を、他の居住用財産を譲渡した場合の特例と同様の扱いとする旨の通達が国税庁からありました。

他の居住用財産を譲渡した場合の特例と同様ということは、前述の1.売却不動産が『居住用』かどうかの基準が相続空き家の3,000万円控除にも適用されることとなります。

つまり、生活の拠点を老人ホームに移し、その後相続が発生した場合、実家の売却には相続空き家の3,000万円控除は利用できません。

『相続空き家の3,000万円控除』適用の範囲

・適用できそうなケース
治療、療養のために一時的に病院や施設に入っており、住民票は自宅から移していない場合

・適用できないケース
生活の拠点を老人ホームに移し、住民票も自宅にはない場合

判断基準は直前の状況

居住用財産の3,000万円控除は、居住しなくなってから3年目の年末まで適用できますが、相続空き家の3,000万円控除は相続直前に被相続人(故人)が居住用として利用していたかどうかで判断されます。

お亡くなりになる1年前に生活の拠点を老人ホームに移した場合は、特例が適用できなくなりますので、留意してください。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

内閣府の発表では、『65歳以上の高齢者人口は、(平成25年時点で)過去最高の3,190万人(前年3,079万人)となり、総人口に占める割合(高齢化率)も25.1%(前年24.1%)と過去最高となった。』としています。

高齢化表

高齢化社会が進むにつれ、老人ホーム利用者も増加していきます。

もし、親が老人ホームに生活の拠点を移した場合、実家売却に特例や軽減税率が利用できる期間は、老人ホーム入居から3年を経過する日の年末までです。

実際に売却したときに、『こんな多くの税金がかかるとは思わなかった』となる前に、ご家族で一度お話合いを持たれてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。

記事中や実家売却のことでご相談がありましたら、お気軽にお問合せください。

 

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私が記事を書きました。

山﨑 紘靖
山﨑 紘靖過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。

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