渋谷区・目黒区・世田谷区・杉並区でマンションがなかなか売れない時に確認する3つのポイント
『半年間の販売活動を行っているけども、案内もまばらで売却できる気配がない』
『販売活動が3カ月目くらいで、依頼している仲介会社から2回目の値下げ交渉があった』
などのお声を中古マンション売却中のお客様から頂くことがあります。
まずは、下記図をご参照ください。
上記図は、国土交通省が発表している不動産価格指数です。
2010年を100とした場合、赤色のマンションの線は、2016年12月には125を指しており、価格が25%も上昇していることになります。
新聞などのメディアでも、区分所有マンションの価格上昇の報道は多く、売主様にとっては良い市場とされています。
では、なぜ現在のような状況下で販売活動中のマンションがなかなか売れない事態が発生してしまうのでしょうか。
今回は、弊社が行った実務上効果があった改善点を中心にわかりやすくご説明していきます。最後までお読み頂き、中古マンション売却にお役立ちできれば幸いです。
なお、記事中で紹介している改善点は主に渋谷区・目黒区・世田谷区・杉並区などの東京都城南地域(以下、「城南地域」という。)にて効果があったものになります。その他の地域などには応用できない場合もあるため、個別事案については別途お問合せください。
現在の中古マンション市況の把握
新築マンション分譲価格を注視
中古マンションの価格は、新築マンション販売価格に影響を受け、推移します。一部のプレミアムマンションなどの場合は、築年数が経過しても高値での価格推移をしておりますが、一般的に中古マンションは新築マンションの価格に連動し価値が上下する傾向にあります。
もちろん、アベノミクス下における中古マンションの価格上昇も、新築マンションの価格高騰を受け推移してきました。
しかし、昨年から特に都心部における新築マンション価格は、調整の段階に入ってきました。
首都圏の戸当たり平均価格は5,490万円。対前年比0.5%の下落と、4年ぶりのダウンとなった。エリア別でダウンしたのは都区部のみで、下落幅は1.5%であった。1㎡当たりの分譲単価は79.3万円、対前年比1.8%の上昇。(中略)今後については、建築コストが高止まりからやや下落傾向にあることなどから、戸当たり、単価ともに若干ダウンする見込みである。
・出典:不動産経済研究所 -2016年まとめ-
上記記事からは、新築マンションの購入者層が高騰する都心部を避け、郊外へ新築を求める動きが伺えます。
中古マンション価格も調整段階へ
新築マンションの価格上昇を受け、高騰してきた都区部の中古マンションも昨年の10月あたりから価格調整段階に入っています。
2017年2月の首都圏中古マンション価格は、全域的に小幅な変動が続いており、前月比+0.4%の3,583万円とここ3ヵ月間では目立った動きは見られない。都県別で見ると、東京都では+0.4%の4,845万円、神奈川県(+0.4%、2,797万円)や千葉県(+0.6%、1,946万円)でも引き続き小幅な上昇となった。埼玉県では-0.1%の2,105万円と4ヵ月ぶりに弱含んだが、さいたま市や川口市など主要エリアの多くでは堅調な推移を維持している。
・出典:東京カンテイ
1月の中古マンション価格が小幅な下落だったことを考えると、中古マンション市場に少なくとも上昇トレンドは見られない状況と考えられます。
リーマンショック前の状況とは異なり、現在の新築マンション分譲は大手中心であるため、新築マンション販売において大幅な値引きはなく、高止まりの状況はしばらく続くと考えられます。
新築マンション高騰に伴い、価格上昇を続けてきた中古マンションは今後調整時期に移行すると予測されています。
以上が現在の中古マンション市況の概要になります。(2017年4月現在)
では、現在の市況下で販売活動はしているものの、なかなか売れていない中古マンションにおいては、どのような改善策を行えばよいのでしょうか。
売れない時の『改善策』
地域の相場を正確に見極める
前述のデータで2010年を100とした場合、2016年12月現在の中古マンション価格が125と、25%の価格上昇があったと示しました。
しかし、同データは南関東圏全体のものであり、価格上昇は、地域やマンションによって大きく変動します。
城南地域における比較的取引事例が多い同一マンションの成約データを基に、2010年から2016年までの価格変動をマンション別にまとめると下記のようになります。
※下記記載のデータは、REINSの成約事例を基に作成。
①小田急線「代々木上原」駅 2004年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 308万円 / 坪 2011年 295万円 / 坪
2012年 299万円 / 坪 2013年 320万円 / 坪
2014年 339万円 / 坪 2015年 350万円 / 坪
2016年 370万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 120 %②東急東横線「中目黒」駅 2009年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 425万円 / 坪 2011年 nondate
2012年 349万円 / 坪 2013年 479万円 / 坪
2014年 512万円 / 坪 2015年 543万円 / 坪
2016年 573万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 126 %③井の頭線「浜田山」駅 2009年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 333万円 / 坪 2011年 343万円 / 坪
2012年 297万円 / 坪 2013年 313万円 / 坪
2014年 350万円 / 坪 2015年 391万円 / 坪
2016年 375万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 112 %④小田急線「経堂」駅 2007年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 248万円 / 坪 2011年 266万円 / 坪
2012年 265万円 / 坪 2013年 249万円 / 坪
2014年 nondate 2015年 nondate
2016年 256万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 103%⑤京王線「下高井戸」駅 2004年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 272万円 / 坪 2011年 nondate
2012年 255万円 / 坪 2013年 271万円 / 坪
2014年 nondate 2015年 277万円 / 坪
2016年 272万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 100%⑥京王線「千歳烏山」駅 2006年築 中古マンション
・平均成約坪単価推移
2010年 220万円 / 坪 2011年 214万円 / 坪
2012年 202万円 / 坪 2013年 204万円 / 坪
2014年 212万円 / 坪 2015年 213万円 / 坪
2016年 219万円 / 坪・2010年を100とした場合の上昇率
⇒ 2016年 = 99%
ちなみに、山手線の内側で同じデータを作成すると150%を超えるマンションがある一方で、郊外に行くにつれ90%を割り込むマンションも存在します。
城南地域における価格上昇の目安として、山手通りの内側に存するマンションは120%を超えて上昇しているのに対し、山手通り~環状7号線の地域が110%~120%、環状7号線~環状8号線が100%のほぼ横ばいか小幅ながら下落していることが見えてきます。
もし、売却しているマンションが存する地域が横ばいか下落している地域で、前年より高値で販売活動をしている場合は、そのままの価格で成約を望むことが難しいかもしれません。
地域全体として小幅ながら下落しているのであれば、多少の値下げを行った場合でも相場の後追いをすることになり、成約価格を現在の相場以下に落としてしまう可能性さえ発生します。
「売却しているマンションが正確に現在どれほどの価値なのか」を把握し、販売価格も相場から大きくずれない範囲で決定するようにしましょう。
一括査定の販売価格には注意
現在は、インターネットで簡単に不動産査定を行うことが可能になりました。
一括無料査定などのサービスは、査定を受ける側(不動産会社)にとっては初めから同業他社と競合していることが明白です。売主様からの売却依頼受任の為、不動産会社が売主様に提出する査定書は相場よりも高値である場合が多く、実際に販売活動を行ってもなかなか成約に至らないケースが増えているようです。
前述のように、販売価格が高値であっても相場が上昇している地域であれば、相場の上昇を待つこともできます。
しかし、横ばいや下落している地域において当初の販売価格が相場より15%以上も高い場合には、販売活動の長期化を招くばかりか値段を下げても売れずに当初の住み替えなどの計画を変更せざるを得ない事態にもなりかねません。
一括査定で査定を依頼した不動産会社が他者との競合下に置かれていることを考えれば、一括査定に参加しておらず、査定額は高額ではなくとも正確に売却できる金額を調査できる不動産会社にも販売当初、若しくはなかなか売却できない時に査定を依頼することも重要です。
広告活動が効率的に機能しているか。
・画像出店:アットホーム調べ 2012年
現在、不動産購入者の7割以上が不動産情報サイト(アットホーム・スーモ・ホームズ等)を経由して情報を取得しています。
マンションを売却する場合も同様に、不動産情報サイト上で効率的に広告を行うことが重要になってきます。
しかし、この不動産情報サイトの利用については各社ばらつきがあり、例えば有名な大手不動産会社であっても情報サイトへの掲載については廉価版などを利用し、写真枚数や情報が少なく表示されていることもあります。
もし、あなたがマンションを売却しているのであれば、依頼している不動産会社のHPだけでなく、有名な不動産情報サイトに潤沢な写真枚数と情報で広告活動が行われているか確認をしましょう。
価格に妥当性がある場合などは、不動産情報サイトの効果的な活用のみで案内数の増加や成約に至る事例も多く、販売活動の中では重要な項目です。
買手が見やすい空間つくり
様々なサイトに詳細な記載が多いため詳細は割愛いたしますが、購入希望者のご案内の際は、購入者が気持ちよく内見できるようにお部屋のコンディション作りを行いましょう。
前述した正確な価格設定と効果的な不動産情報サイトの活用により、なかなか売れないマンションであっても(おそらく)具体的に購入をご検討頂ける方の内見が増加していると考えられます。
販売においてリフォームする必要があるマンションは実態として少ないのですが、買主様が可能な限りお部屋を隅々まで見られるように整理整頓をいつもの生活以上に心がけるようにしましょう。
以上が売れない時の改善策になります。
特に正確な相場価格の把握は重要で、なかなか売れないから少しづつ値段を下げる販売方法は想定以上の価格下落を招くこともあるため極力避けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、なかなか売却に至らないマンションの販売方法改善策についてご説明いたしました。
ポイントとして、①正確な価値の把握 ②販売価格の見直し ③お部屋のコンディション作りを丁寧に行えば、状況改善をすることは可能です。
最後に販売価格の設定について少しご説明します。
実務を行っていると購入希望者からの値段交渉が入ることを懸念され、販売価格の設定を相場よりも高値で設定され値段交渉が入れば受け付けるような販売方法を希望される売主様にお会いすることがあります。
この販売方法が良くないとは決めつけられませんが、現在はインターネットで簡単にそのマンションの相場を検索できる時代です。購入希望者もある程度正確な相場価格をお持ちの方が多く、相場より高値の場合は内見を行わない方も多く存在することが現状です。
相場より高値で販売する場合でも、成約するであろう価格の5%前後に抑え、真剣に購入を検討して頂くほうがより効果的ではないかと考えております。
今回も最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。皆様のお役に立てましたら幸いです。
なかなかご売却がうまく進まないなどのご相談はお気軽にお問合せください。
この記事を書いた人
- 山﨑 紘靖
- 過去に200件以上の不動産売却に携わり、 某大手不動産会社で営業成績No,1だった山崎が、 売却の専門家として、あなたの「最高額で売れた」をサポートします。
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